ウェブマーケティング

薬機法とウェブサイトでのサプリメント販売における注意点

最終更新日:2024年8月17日 監修:弁護士 吉田泰郎

日本においてサプリメントを販売する際には、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の規制を遵守することが非常に重要です。ウェブサイトを通じてサプリメントを販売する場合、特に注意が必要です。今回は、薬機法の概要と、それに基づくウェブサイト運営における具体的な注意点について、初心者にも分かりやすく解説します。

サプリメント販売と薬機法

薬機法は、医薬品や医療機器の品質や安全性、有効性を確保するために制定された法律ですが、サプリメントの販売にも適用されます。サプリメントは食品に分類されるため、医薬品とは異なる規制が適用されますが、それでも厳しい基準が設けられており、法律を理解し遵守することが求められます。

効能・効果の表示に関する制限

サプリメントの販売において、最も重要なポイントの一つが効能・効果の表示に関する制限です。薬機法では、サプリメントが特定の病気や症状に対する治療効果を謳うことを禁じています。これは、サプリメントが医薬品ではなく、あくまで食品であるという基本的な立場に基づく規制です。

例えば、ウェブサイトや広告で「このサプリメントで風邪が治る」「高血圧を改善する」といった具体的な病名や症状を挙げる表現は、法律違反となります。このような誤解を招く表現は避け、あくまで健康維持や美容のサポートといった曖昧な表現を用いることが求められます。

サプリメントの安全性の確認

次に重要なのは、安全性の確認です。サプリメントに使用される成分は、その安全性が確保されている必要があります。日本国内で販売されるサプリメントには、使用量に制限がある成分もあり、これを超えないようにすることが必要です。特に、海外から輸入するサプリメントの場合、その成分が日本国内で問題ないかを事前に確認することが重要です。

品質管理の徹底

サプリメントの製造において、品質管理は欠かせません。製造過程での衛生管理、原材料の管理、そして最終製品の検査など、製品の品質を保証するためのシステムを整えることが求められます。特にオンライン販売の場合、品質が確保されていないと消費者の信頼を失うだけでなく、法的なトラブルに発展する可能性もあります。

輸入サプリメントにおける注意点

海外からサプリメントを輸入して販売する場合、特に注意が必要です。日本の薬機法に適合していない成分が含まれていると、輸入が禁止される場合があります。また、一部の成分は医薬品と判断される可能性があり、その場合には薬事承認が必要になります。輸入前に必ず専門家の助言を受け、適法であることを確認しましょう。

医薬品との区別

サプリメントは医薬品ではありません。そのため、医薬品と誤解されるような広告やパッケージデザインを用いることは、薬機法で禁じられています。たとえば、医薬品のようなパッケージデザインや、病院で処方されるような印象を与える広告表現は、法的に問題となる可能性があります。消費者に誤解を与えないよう、デザインや表現には十分注意が必要です。

薬機法が問題となる業界とその注意点

薬機法はサプリメント販売だけでなく、他の多くの業界にも影響を及ぼします。例えば、整体院、整骨院、接骨院、治療院、鍼灸院、マッサージ、温泉施設、ダイエット関連商材、エステサロンなどが挙げられます。これらの業界でも、薬機法に基づく厳しい規制が存在し、それを守らないと法的なリスクが伴います。

特に、これらの業界でのウェブサイト運営においては、効果や効能を謳う表現に細心の注意を払う必要があります。違反が発覚した場合、営業停止命令や罰金といった厳しい処分が下されることがあるため、専門家の助言を受けながら慎重に対応することが重要です。

まとめ

私のセミナーを受講したウェブ担当者の方や経営者の皆さんが薬機法の問題のため監督官庁から注意を受けて、その対応に四苦八苦しているのを何度も見ています。それだけでなく、最近のGoogleでは薬機法に明らかに触れる表現のあるサイトの検索順位を降格するようになってきています。

サプリメントを含む多くの健康関連商品をウェブサイトで販売する際には、薬機法の規制を十分に理解し、遵守することが不可欠です。効能・効果の表示、安全性の確認、品質管理、輸入における注意点、そして医薬品との区別など、多くのポイントに気を配る必要があります。また、薬機法の適用範囲は変化することが多いため、定期的に最新の情報を確認し、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。法規制を遵守しながら、消費者に信頼される商品を提供することで、健全なビジネスの成長を実現しましょう。

関連記事

TOP