ウェブマーケティング

Google検索結果の評判管理

最終更新日:2024年6月24日 執筆:SEOコンサルタント 鈴木将司

企業を悩ます風評被害の問題が1つあります。それはGoogleやその検索エンジンを使用するYahoo!JAPANの検索結果に自社に対してネガティブな情報を記載しているサイトやブログが表示されるという問題です。

この問題を解決するには、これまで解説してきた各プラットフォームに対するオンライン評判管理の対策を実施することが基本です。

直接連絡をとる

その中でも悪質な誹謗中傷をしているウェブサイトやブログに対しては、直接連絡を取って自社がいかに重大な経済的ダメージを追っているかを冷静に説明するという対処策があります。

悪質な誹謗中傷サイトへの直接対応の流れとしては次のようなものがあります。

1. 連絡の準備

・問題となっている内容を具体的に特定し、証拠を収集します。
・経済的損害の具体的な数字や事例を準備します(例:売上減少、顧客離れ、株価への影響など)。
・法的な観点から、誹謗中傷の根拠のなさを示す資料を用意します。

2. 連絡方法の選択

・可能であれば、サイト運営者の連絡先情報を見つけます。
・Eメール、問い合わせフォーム、または書面での連絡を検討します。
・弁護士を通じての連絡も効果的な場合があります。

3. メッセージの作成

・冷静で専門的なトーンを保ちます。
・問題となっている内容を具体的に指摘します。
・ 誹謗中傷による具体的な影響や損害を説明します。
・法的根拠を示し、潜在的な法的措置について言及することも考慮します。

4. 解決策の提案

・問題のある内容の削除や修正を要請します。
・ 必要に応じて、事実に基づいた情報の掲載を提案します。

5. 期限の設定

・合理的な対応期限を設定し、明確に伝えます。

6. フォローアップ

・設定した期限後に反応がない場合は、再度連絡を試みます。
・必要に応じて、法的措置の検討を伝えます。

7. 記録の保管

・すべての通信内容を記録し、保管します。
・後の法的手続きに備えて、証拠として使用できるようにします。

この方法は、問題の解決を試みながら、プロフェッショナルで冷静な姿勢を維持することが重要です。ただし、相手の反応や法的リスクを慎重に評価しながら進める必要があります。また、この方法が常に効果的とは限らないため、他の対策と併用することが賢明です。

Googleへの申し立て

しかし、根拠のない誹謗中傷をしているサイトにはもともと後ろめたい気持ちがあるためか、最初から連絡先情報や運営者情報がサイトに載っていないことがほとんどです。また普通はドメイン名の所有者を検索するサイトを使うと、ドメイン名の所有者がわかりますが、そうしたサイトの多くが所有者を見せない設定にしていたり、別人の名義にしていることがあります。しかも、遠い外国に住む外国人の名義でドメイン名を登録しているサイトすらあります。そのため、どんなに法的に根拠がある主張だとしても、削除の依頼をすることが物理的に困難な場合があります。

そうした時は、キーワード候補の削除依頼と同様に、Googleに申し立てをすることが可能です。
申立の受付は「Google 上のコンテンツを報告」
https://support.google.com/legal/troubleshooter/1114905?hl=ja
で行っています。

このフォームに名誉毀損などの理由を選択して申請しましょう。申立をしてから数週間以内に結果がわかります。

《詳細を報告できる「Google 上のコンテンツを報告」》

サーバー会社への連絡

Googleが申し立てを却下したことにより、依然として誹謗中傷をしているサイトが検索結果に表示されている場合は、そのサイトが置かれているサーバー会社または無料サーバーの場合はそのホスティング会社に弁護士から事の経緯と経済的損害が与えられている根拠を説明した内容証明を送ってもらい、その後の対応を代行してもらうという方法があります。

そしてサーバー会社やホスティング会社が根拠がない誹謗中傷のコンテンツだと判断してくれた場合は、サイト、またはブログの運営者に連絡をして問題の記述を削除してくれるよう伝えてくれることがあります。そしてそれにサイト運営者が対応しない場合はサイトへアクセスができないようにアカウン トを停止して、サイトが見られないように処理してくれることがあります。

自社のSNSやブログを上位表示させる

しかし、この場合も明らかに根拠のない誹謗中傷だと認められた場合だけであり、少しだけネガティブに言っているという程度では、通常、言論の自由の範囲だと判断されて何も対応してくれないことがほとんどです。そうした場合は、最終手段として自社の会社名や商品・サービス名で検索したときにその他のサイトが上位表示されるように対策をするというものがあります。これは、誹謗中傷サイトが上位表示されないように、自分でより上位表示するためのサイトを複数作り、相対的に誹謗中傷サイトの順位を下げるという手法です。

これを実現するには強いドメインを使うことが効果的です。強いドメインとは、 Googleから高く評価されているドメインという意味です。Facebook、X(旧Twitter)、Instagram、LINE公式アカウント、アメブロ、ライブドアブログ、note、はてなブログや、その他の無料ホームページサービスや無料ブログ、ソーシャルメディアは強いドメインです。

会社名をこれらのサービスを利用するときのアカウント名にして一定のコンテンツを投稿しましょう。そしてそれらに対してある程度のSEOを実施しましょう。また、社歴がある程度あるか知名度の高い会社ならば、Wikipediaに自社についての客観的な情報を投稿することも効果的です。そうすることで会社名や商品・サービス名でGoogle検索した時に、検索結果の上位にそれら強いドメインのサイトやソーシャルメディアが上位表示され、誹謗中傷サイトが1ページ目の下のほう、あるいは2ページ目以降に表示されることがあります。

まとめ

Google検索結果における評判管理は、企業にとって重要な課題です。対策をまとめると以下のようになります。

1. 基本的なアプローチ

・各プラットフォームに対するオンライン評判管理対策の実施
・悪質な誹謗中傷サイトへの直接連絡

2. Googleへの対応

・「Google 上のコンテンツを報告」フォームを使用した申し立て
・ 数週間以内に結果が判明

3. 法的対応

・弁護士を通じたサーバー会社やホスティング会社への内容証明送付
・ただし、明らかな根拠のない誹謗中傷の場合のみ効果的

4. SEO対策

・強いドメインを利用した自社関連コンテンツの作成
・ソーシャルメディアアカウントの活用
・Wikipedia等への客観的情報の掲載

これらの対策を組み合わせることで、ネガティブな情報の影響を軽減し、ポジティブな企業イメージを構築・維持することが可能となります。ただし、オンライン評判管理は継続的な取り組みが必要であり、常に最新の動向や技術に注意を払うことが重要です。

関連記事

TOP