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ウェブサイトのアクセス数が少ない原因とその解決方法

最終更新日:2024年4月11日 執筆:SEOコンサルタント 鈴木将司

サイト運営者のほとんどが「自社サイトの訪問者数が少ない」という悩み、つまりアクセス数が少ないという悩みを抱いています。今回はアクセス数が少ない原因にはどのようなものがあるのか、そしてそれらを解決する方法を解説します。

アクセス数が少ない原因

アクセス数が少ない原因には様々なものがありますが、少なくとも次の6つがあります。

[1] 流入経路が少ない
[2] 各流入経路からのアクセス数が少ない
[3] 検索エンジンからのアクセス数が少ない
[4] ソーシャルメディアからのアクセス数が少ない
[5] メールからのアクセス数が少ない
[6] 広告からのアクセス数が少ない

アクセス数を増やすためにはこれら1つ1つの原因を冷静に理解して、解決していく必要があります。

1. 流入経路が少ない

アクセス数が少ない原因でよくあるものが、サイトへの「流入経路が少ない」というものです。ウェブマーケティングの実施方法を知らずにウェブサイトを運営すると流入経路が少なくなる傾向が生じます。「流入経路」とは、自社サイトにどこからユーザーがやってきたか、そのアクセス元のことです。自社サイトへの流入経路はGoogleアナリティクス4(以下 GA4)で簡単に確認できます。

《GA4に表示されるチャンネルグループ(流入経路)》

① Organic Search

自然検索 = Google、Yahoo!JAPAN、Microsoft Bing等の検索エンジンの自然検索結果欄からの流入。

検索エンジンのリスティング広告をクリックしてウェブサイトに流入。

③ Referral

参照元 = 検索エンジン以外のウェブサイトからの流入。

④ Direct

直接 = ユーザーが直接ウェブサイトのURLをブラウザのアドレスバーに入力した場合、またはブックマークからアクセスした場合。

⑤ Organic Social

自然ソーシャル = 広告以外のSNS、ソーシャルメディアからの自然な流入。

有料ソーシャル = ソーシャルメディアプラットフォーム上での有料広告からの流入。

⑦ Organic Video

自然ビデオ = 動画プラットフォームのYouTube、Vimeoからの広告以外のコンテンツからの流入。

有料ビデオ = YouTubeやVimeoなどの動画プラットフォームに掲載した有料広告からの流入。

⑨ Display

ディスプレイ = ディスプレイ広告(バナー広告など)からウェブサイトへの流入。

⑩ Affiliates

アフィリエイト = アフィリエイト広告を通じて発生したウェブサイトへの流入。

⑪ Email

電子メール = メールマガジンや顧客に送信したメールに記載されたURLをクリックしてウェブサイトに流入したトラフィック(アクセス)。

⑫ Organic Shopping

自然ショッピング = Googleショッピング検索からの流入。

有料ショッピング = GoogleショッピングやAmazon広告等のショッピング広告からの有料トラフィックによる流入。

⑭ Audio

オーディオ = ポッドキャストやオーディオブック等のオーディオコンテンツからウェブサイトへの流入。

⑮ SMS

SMS = ショートメッセージサービスから発生したウェブサイトへの流入。

⑯ Mobile Push Notifications

モバイルプッシュ通知 = モバイルアプリのプッシュ通知に含まれるリンクをクリックしたユーザーの流入。

⑰ Cross-network

クロスネットワーク = Googleの広告ネットワーク間でリンクされたキャンペーンによる流入。

⑱ Other Advertising

その他広告 = Google広告やYahoo!広告などの検索エンジン広告以外の広告チャネルからの流入。

⑲ Other

その他 = 他の特定のチャンネルグループに分類されないところからの流入。

《GA4にあるチャンネルグループのデータ》

流入経路が少なければそれだけサイトへの流入(アクセス数)が少ないのは当然です。これまでサイト訪問者が流入してきた流入経路以外の流入経路を開拓するためには、幅広いウェブマーケティングの施策を実施しなくてはなりません。

ウェブマーケティングの施策内容には、主に次の10種類があります。

① SEO
② SNS運用
③ 動画投稿
④ リスティング広告
⑤ SNS広告
⑥ 動画広告
⑦ アドネットワーク広告
⑧ リターゲティング広告
⑨ アフィリエイト広告
⑩ 電子メール

この10種類の施策を実施することにより、自社サイトの流入元は確実に増えてアクセス数が増えます。

ウェブマーケティングの施策内容 チャンネルグループ(流入経路)
① SEO ① Organic Search
⑫ Organic Shopping
② SNS運用 ⑤ Organic Social
③ 動画投稿 ⑦ Organic Video
④ リスティング広告 ② Paid Search
⑬ Paid Shopping
⑱ Other Advertising
⑰ Cross-network
⑤ SNS広告 ⑥ Paid Social
⑱ Other Advertising
⑥ 動画広告 ⑧ Paid Video
⑦ アドネットワーク広告 ⑨ Display
⑰ Cross-network
⑱ Other Advertising
⑧ リターゲティング広告 ⑨ Display
⑨ アフィリエイト広告 ⑩ Affiliates
⑩ 電子メール ⑪ Email

この10種類の他にも次の施策を実施すると残りのチャンネルグループ(流入経路)からの流入が発生します。

その他ウェブマーケティングの施策内容 チャンネルグループ(流入経路)
⑪ モバイルアプリ ⑯ Mobile Push Notifications
⑫ 顧客の携帯電話へのメッセージ配信 ⑮ SMS
⑬ ポッドキャスティング ⑭ Audio

そしてこれら13種類のウェブマーケティングの施策を実施すると残りの④ Direct(直接)、③ Referral(参照元)、⑲ Other(その他)からの流入も増えてサイトのアクセス数は最大化されていきます。

全てのウェブマーケティングの施策内容 チャンネルグループ(流入経路)
①〜⑬全て、またはほとんど ④ Direct
③ Referral
⑲ Other

④ Directが増える理由は、様々なプラットフォームを通じて、企業名や商品名・サービス名等のブランド名をユーザーが知ることになり、1度かそれ以上サイトを見たユーザーがブラウザのお気に入りやブックマークに入れて直接サイトを訪問するようになるからです。

③ Referral(参照元)が増える理由は、様々なプラットフォームを通じて多くの企業や個人が企業やその商品・サービスを知ることになり、外部リンクを張って紹介してくれるようになるからです。

この13種類の施策の全てをすぐに実施するのは多くの手間と費用がかかります。計画を立てて、現状の経営環境で着手できるものから順番に実施するのが現実的です。

また、これら様々なプラットフォーム毎に独自のコンテンツを作成するのは困難ですので、ウェブサイトのコンテンツとして作ったものをSNSや動画で再利用したり、動画コンテンツをテキスト化して、ブログ記事として再利用し、そのことをSNSで告知するなどのコンテンツ作成の手間を省くなどの工夫も必要です。

《レシピページのコンテンツをブログ記事、動画として再利用する》

《旅行情報のコンテンツをテキスト化して、それをブログ記事として再利用して記事をSNSで告知する》

ただし、プラットフォーム毎にユーザーに求められるコンテンツが異なることがあることと、コンテンツの見せ方に変化をつけなくてはならないということも留意しなくてはなりません。

2. 各流入経路からのアクセス数が少ない

アクセス数が少ない2つ目のよくある理由が、各流入経路からの流入数が少ないために、アクセス数が少なくなるというものです。検索エンジンからの流入があったとしても、サイト内にある全てのページが検索エンジンに登録されていなければサイト内にある少数のページしか検索にかからないので機会損失が発生します。また、検索順位が競合サイトよりも低ければ検索エンジンからの流入が少なくなり、アクセス数が少なくなります。

同じようなことが、SNSや動画共有サイトなどのソーシャルメディアにも言えます。SNSや動画共有サイトへのコンテンツの投稿頻度が少ない場合や、投稿した内容がターゲットとしているユーザーに好まれない場合は視聴回数が少なくなるので、フォロワーやチャンネル登録者数は増えません。その結果、コンテンツ内にサイトのURLを記載してリンクを張ってもクリックされる回数は少なくなります。

これまで資料をダウンロードしてくれたユーザーや、過去に商品・サービスを購入してくれた既存客にメールマガジンを積極的に出していなければメールマガジンの記事内にあるURLをクリックする人は少なくなりますし、そのURLをクリックする理由がほとんどなければサイトのアクセス数は増えません。また、適切なプラットフォームに広告を出稿しなければサイトへの流入は増えませんし、広告のキャッチコピーがユーザーにリンクをクリックする動機を十分に与えていなければサイトのアクセス数は増えません。

3. 検索エンジンからのアクセス数が少ない

Google等の検索エンジンからの流入が少ないためにサイトのアクセス数が増えないという問題を多くのサイトが抱えています。
検索エンジンからのアクセス数が少ない理由には次のようなものがあります。

[1] ページがインデックスされない
[2] 上位表示できていない
[3] 検索順位が徐々に落ちてきている
[4] ページエクスペリエンスが良好ではない

① ページがインデックスされない

GoogleはGoogle検索に登録されているページからのリンクを辿って新しいページを発見します。そのため、新しく作ったページをGoogleにインデックス(登録)してもらうには自社サイト内にあるすでにGoogle検索にかかっているページからリンクを張るだけで十分です。

しかし、Googleは毎日生まれる無数のウェブページを発見する作業をしているため、すぐに自社サイト内に追加した新しいページを見に来てくれるとは限りません。何年も前から運営されていてたくさんのキーワードで上位表示しているサイトの場合は数日以内に新しいページをインデックスしてくれますが、新しくできたばかりのサイトやあまり多くのキーワードで上位表示してない人気度の低いサイトの場合は数週間から数ヶ月かかることがあります。

そのため、最近は多くのサイト運営者が、Googleによるインデックスが遅いという悩みをかかえるようになってきています。以前は新しいページを作れば数日以内にインデックスされるのが普通でしたが、最近では数週間から数ヶ月もかかるケースが増えています。

② 上位表示できていない

検索エンジンで上位表示されていない状態だと、検索エンジンを使うユーザーの目に触れる機会が少なくなり、サイトへの流入が少なくなり、サイト運営者が期待するアクセス数を獲得することができなくなります。
Google等の検索エンジンで上位表示できない理由には次のようなものがあります。

(1)クエリとの関連性が低い
(2)E-E-A-Tが不足している
(3)良質な被リンク元が不足している
(4)トラフィックが不足している
(5)ユーザーエンゲージメントが低い
(6)ノイズが多い
(7)検索意図を満たしていない
(8)コンテンツの品質が低い
(9)網羅性が低い

③ 検索順位が徐々に落ちてきている

作ってから長い年月が経ったウェブページは上位表示しにくくなります。作ったばかりのころは検索で1位表示していたとしても、半年、1年、2年と年月が経つにつれて順位が落ちるようになります。これは、ウェブページ内にあるコンテンツが作った当時は新しくてユーザーにとって役立つものであっても、年月が経つと徐々に内容が古くなりユーザーが満足できない内容になるからです。

徐々に順位が落ちているページを発見したら、そのページのコンテンツをいつ作ったかを確認しましょう。そして作ってから1年以上経っていたら内容が古いという理由で上位表示しなくなった可能性が高いので、コンテンツをアップデートしましょう。これはコンテンツの「アンチエイジング」と言える作業です。作ってから1年、2年も経つと文章が古くなっている場合もありますし、画像が古臭くなっていることもあります。

他にも外部参照先のリンク先のページが消滅していることもありますのでリンク先のサイトがつながるかも確認しましょう。それらを新しいものに差し替えることや、新たに載せるべきテキストや画像を考えて、追加してアンチエンジングの作業をしましょう。

④ ページエクスペリエンスが良好ではない

Googleはページエクスペリエンスが良好ではないウェブサイトにあるページの順位を下げます。ページエクスペリエンスとは、ウェブページのユーザー体験が快適かどうかを示す指標です。

自社サイトのページエクスペリエンスがどの程度良好かを知るには、サーチコンソールの「エクスペリエンス」→「ページエクスペリエンス」を選択して表示される「ページ エクスペリエンスの概要」という画面を見ます。

「ページ エクスペリエンスの概要」には次の3つの指標が表示されます。

(1)ウェブに関する主な指標
(2)モバイルユーザビリティ
(3)HTTPS

4. ソーシャルメディアからのアクセス数が少ない

アクセス数が少ないサイトの多くがSNSやYouTube等のソーシャルメディアを活用していない、または運用していてもソーシャルメディアから自社サイトへの誘導が上手くいっていないという問題を抱えています。
ソーシャルメディアからのアクセス数が無い、またはあったとしても少ないのには次のような理由があります。

[1] ソーシャルメディアを運営していない
[2] 主要なソーシャルメディア全てを運営していない
[3] 情報の更新頻度が低い
[4] リンクがクリックされていない

5. メールからのアクセス数が少ない

メールマガジンからサイトへのアクセス数が全くない、あるいはとても少ないという問題があります。その理由としては次のことが考えられます。

[1] メールマガジンを配信していない
[2] メールマガジンの配信頻度が少ない
[3] メールマガジンの記事内のリンクがクリックされていない
[4] ステップメールを出していない

6. 広告からのアクセス数が少ない

サイトのアクセス数を増やす強力な手段の1つは広告を出稿することです。ユーザーに訴求する広告コピーやビジュアル、魅力的なオファー内容が揃えばクリック率は高くなりサイトへのアクセス数は増加します。
しかし、それができていない場合や次のような理由のためサイトへのアクセス数は増えることはありません。

[1] ターゲティングがズレている
[2] ターゲットユーザーが狭すぎる
[3] 広告予算が少ない
[4] 広告の配信タイミングが不適切
[5] キャッチコピーがターゲットユーザーに訴求していない
[6] 広告のデザインやビジュアルが不適切
[7] 広告メッセージが一貫性を欠いている

以上が、多くのサイト運営者を悩ませているアクセス数が少ないという悩みの種類と、アクセス数を増やすための方法です。これら1つ1つの原因を冷静に理解して、対策を実施して解決していくことが自社サイトへのアクセスが増えない悩みを解決することになります。

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