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Google検索を企業が集客に使う際の注意点

最終更新日:2024年10月31日 執筆:SEOコンサルタント 鈴木将司

Google検索を利用して企業が集客を行う際には、いくつかの重要なガイドラインやルールを理解しておく必要があります。これらのガイドラインを無視すると、検索順位が下がったり、最悪の場合、検索結果から自社のサイトが除外されることさえあります。特に、かつて「ウェブマスター向けガイドライン」として知られていたものが、現在は「Google検索の基本事項」として多くのウェブマーケティング担当者に向けた指針となっています。

Googleのウェブ検索にもガイドラインがある

Googleのウェブ検索にもガイドラインがあるのでこれを理解して実践することが非常に重要です。
このガイドラインは最近まで「ウェブマスター向けガイドライン」と呼ばれていたものです。しかし最近ではウェブマスター以外のウェブマーケティング担当者全般に向けてのガイドラインも示すようになったため現在は「Google 検索の基本事項」と呼ばれるようになりました。

《参考情報》 Google 検索の基本事項

このページでは、Googleの検索結果にウェブサイトが表示されるための要件が詳しく説明されています。
ウェブサイトが表示されるための要件には次の3つがあります。これら3つの要件を満たす限り、自然検索部分への表示には一切の料金は発生しないとしています。

① 技術要件

技術要件は、ウェブページが Google 検索の検索結果に表示されるために満たすべき最低限の要件です。実際には、ウェブページに技術的な変更を加える必要はほとんどありません。多くのサイトは、そのままでも技術要件を満たしています。

② スパムに関するポリシー

スパムに関するポリシーには、ページまたはサイト全体の掲載順位が下がったり、Google 検索から完全に除外されたりする原因となる行動や手法が詳しく記載されています。ユーザーに最良のコンテンツやユーザー体験を提供することに重点を置き、Google の基本原則を守っているサイトは、Google 検索の検索結果で上位に表示される可能性が高くなります。

③ 主なベストプラクティス

「ベストプラクティス」とは英語で「最善の方法」という意味です。サイトの検索順位はさまざまな方法で改善できますが、Google検索での上位表示に最も影響が大きい対策は次のものがあります。

(1)有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツを作成する

(2)ユーザーがコンテンツを検索するときに使われる可能性のある単語を選んで、これらの単語をページ上の目立つ場所(ページのタイトル、メインの見出しなど)や、わかりやすい場所(代替テキスト、リンクテキストなど)に配置する

(3)リンクをクロール可能にする
これにより、Google がページ上のリンクを使ってサイト内の他のページを検出できます。

(4)サイトに関する情報を発信する
自分のサイトで紹介しているサービスや製品について、同じような志向の人々と交流できるコミュニティに参加しましょう。

(5)画像、動画、構造化データ、JavaScript などの他のコンテンツがある場合、各タイプに固有のベストプラクティスを実践する
これにより、ページ上の各コンテンツを Google に提示できます。

(6)サイトに適した機能を有効にすることで、Google 検索におけるサイトの表示を改善する
サイトマップの作成、メタディスクリプションの設定、構造化データの実装などがあります。

(7)検索結果に表示したくないコンテンツがある場合や、完全なオプトアウトを希望する場合は、適切な方法でGoogle 検索でのコンテンツの表示を管理する
「オプトアウト」(opt out)とは、ユーザーが自ら行動し、意思表示を行うことで、製品やサービスに関する情報を受け取ったり、個人情報を第三者へ提供したりすること、検索結果に表示されることを拒否することをいいます。Googleの検索結果ページに自社のサイトが表示されることをオプトアウトするには、noindexタグをページに記述してインデックスをしないように申請する方法、robots.txtを使ってクロールを回避する方法、サーチコンソール内にある削除機能を使うなどの方法があります。

《サーチコンソール内にある特定のURLを削除する削除機能》

ガイドラインに違反するとサーチコンソールに連絡が来る

これらのガイドラインに違反している場合や、意図せずして自社のウェブサイトがガイドラインに沿わない場合、Googleはサーチコンソールを通じて、サイト管理者に詳細情報を提供します。

《参考情報》 Google 検索の基本事項

ガイドラインに違反している場合にサーチコンソールで提供される情報には次のようなものがあります。

① セキュリティ

「セキュリティ」レポートでは、サイトのセキュリティに関する問題が確認された場合、その問題を解決する方法が表示されます。また、サイトのセキュリティを向上させるためのヒントも表示されます。

《サーチコンソールにある「セキュリティの問題」》

「セキュリティ」レポートでは、サイトのセキュリティに関する問題が確認された場合、その問題を解決する方法が表示されます。また、サイトのセキュリティを向上させるためのヒントも表示されます。

サーチコンソールで指摘されるサイトのセキュリティに関する問題には、次のようなものがあります。

(1)脆弱なプラグインやテーマを使用している
(2)古いバージョンのソフトウェアを使用している
(3)セキュリティパッチ(OSやアプリケーションの脆弱性を解消するための修正プログラム)が適用されていない
(4)不正なアクセスを許可する設定になっている
(5)脆弱なパスワードを使用している
(6)ファイアウォール(外部のネットワークからの攻撃や不正なアクセスから防御するためのソフトウェアやハードウェア)や不正侵入防止システム(Intrusion Prevention System:IPS)が有効になっていない
(7)データベースが保護されていない
(8)ログインページへのアクセスが容易になっている
(9)不必要に多くのファイルを公開している
(10)脆弱なソースコードを使用している

これらの問題は、セキュリティホールを悪用され、サイトが改ざんされたり、データが盗まれたりするなどのリスクにつながります。そのため、サーチコンソールで指摘された問題は、速やかに解決する必要があります。

問題を解決するには、次の手順を実行します。

(1)サーチコンソールで指摘された問題を特定する
(2)問題の原因を特定する
(3)問題を解決する
(4)問題を解決したことを確認する
(5)問題を解決したら、サーチコンソールでセキュリティ審査をリクエストする

審査が完了すると、サイトが検索結果に表示されるようになるようになります。
セキュリティに関する問題を解決することで、サイトのセキュリティを向上させ、不正アクセスやデータ漏洩などのリスクを低減することができます。

② 手動による対策

「手動による対策」レポートでは、Google のウェブマスター向けガイドラインに違反したために、Google 検索の検索結果から除外されたページやサイトの一覧が表示されます。

《サーチコンソールにある「手動による対策」》

手動による対策を受けた場合は、問題を早期に解決し、Google に再審査を依頼する必要があります。

手動による対策を受けると、サイトの検索順位が低下したり、検索結果から完全に除外されたりする可能性があります。そのため、サイトのセキュリティと品質を維持し、手動による対策を受けないようにすることが重要です。

手動による対策を受けた場合は、以下の手順に従って問題を解決しましょう。

(1)サーチコンソールの「手動による対策」レポートを確認して、問題の原因を特定します
(2)問題の原因を特定したら、問題を解決するための手順を実行します
(3)問題を解決したら、Google に再審査を依頼します
(4)Google は再審査依頼を受領してから数週間以内に、再審査結果を通知します。再審査の結果、問題が解決されていると判断された場合は、サイトは Google 検索の検索結果に表示されるようになります。

③ 検索品質評価者ガイドライン

Googleが公開している「Search Quality Rater(Evaluator) Guidelines(検索品質評価者ガイドライン)」を読むと、Googleがどのようなコンテンツを高く評価し検索結果の上位に表示するのかが理解できます。

検索品質評価ガイドラインはもともとGoogleが世界中で採用した外部評価者が、検索結果の品質を評価するためのマニュアルのことです。検索品質評価ガイドラインには、「ページの品質」「ユーザーニーズを満たしているか」「使いやすさ」の3つを具体的にどのように評価するかが英文で説明されています。

ただし、Googleはアルゴリズムが全自動で検索順位を決めているため、外部評価者が直接各サイトを評価するのではなく、問題のあるサイトを目視で見つけてそれをGoogleのプログラマーにフィードバックをします。そしてプログラマーは報告された特徴をもつサイトを自動的に高く、または低く評価するアルゴリズムをGoogle検索のシステムに実装し検索順位を全自動で決めています。

品質評価者ガイドラインはほとんど毎年1回改定され、Googleがどのように
ウェブサイトを評価しているのかを理解する上での有効な資料となります。このガイドラインは英文で配布されています。

《General Guidelines(検索品質評価者ガイドライン)》

《参考情報》 General Guidelines

日本国内のいくつかのサイトではこのガイドラインを日本語訳していますのでそれらを参考にして、Googleの考え方を理解すると自社のSEOに役立てることが可能です。

まとめ

Google検索を企業の集客に活用するためには、技術要件やスパムポリシー、そしてベストプラクティスをしっかりと理解し、遵守することが必要不可欠です。これらのガイドラインに違反すると、検索順位が大幅に低下したり、サイトが完全に除外されるリスクがあるため、注意が必要です。特に、技術要件を満たしているか、スパム対策が適切に行われているか、ユーザーにとって価値のあるコンテンツが提供されているかを定期的に見直すことで、Google検索での集客効果を最大限に引き出すことができます。ガイドラインを遵守し、企業のウェブサイトが常に最適な状態であるよう管理することで、自然検索からの集客力を大幅に向上させることが可能です。

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