ウェブマーケティング

ウェブ制作会社にサイト制作を発注する際の注意点

最終更新日:2024年9月8日 執筆:SEOコンサルタント 鈴木将司

ウェブサイトを制作する際、多くの企業や個人が専門のウェブ制作会社に外注することを選びます。しかし、その際には様々なトラブルが発生する可能性があり、注意が必要です。特に、ウェブサイトは企業の重要な顔となるため、期待通りの結果を得るためには、事前に多くのポイントをしっかりと確認し、準備を整えておく必要があります。今回は、ウェブ制作会社にサイト制作を依頼する際に気をつけるべきポイントを解説します。

1. 仕様の明確化

ウェブサイト制作を発注する際、最初に行うべきことは、どのようなウェブサイトを作りたいのか、その設計や機能を詳細に決めることです。このプロセスをおろそかにすると、完成したサイトが希望とはかけ離れたものになったり、予期せぬ追加費用や納期の遅延が発生することがあります。

具体的には、ウェブサイトのデザイン、ページ数、機能(例:お問い合わせフォーム、EC機能、ブログ機能など)、対応するデバイス(PC、スマートフォン、タブレットなど)について、詳細に文書化することが重要です。そして、その文書を制作会社と共有し、双方が内容を確認・承認することで、後のトラブルを避けることができます。特に、変更が生じた場合の対応方法についても事前に取り決めておくと安心です。

2. 納期とペナルティ

ウェブサイト制作において納期の設定は非常に重要です。納期が曖昧なままだと、プロジェクトが無駄に長引くことがあり、予定していたタイミングでの公開ができなくなる可能性があります。公開時期が遅れると、ビジネスチャンスを逃してしまうこともあります。

そのため、納期は明確に設定し、遅延が発生した場合のペナルティについても契約書に盛り込んでおくべきです。たとえば、1週間の遅延ごとに一定の金額を減額する、あるいは追加の作業を無償で行ってもらうなどの取り決めが考えられます。また、制作会社が遅延するリスクを最小限に抑えるために、定期的な進捗報告を求めるのも効果的です。

3. 品質保証

ウェブサイトが完成して公開された後、不具合やバグが見つかることは珍しくありません。このような問題が発生した際、どのように対応してもらうか、またその対応にかかる費用は誰が負担するのかを事前に取り決めておくことが大切です。

一般的には、制作会社が一定期間の品質保証を提供することが多いですが、その期間や保証の範囲については、契約書に明記しておくことが重要です。例えば、公開後3ヶ月間は無償でバグ修正を行う、重大なシステムエラーが発生した場合は速やかに対応する、といった内容を具体的に記載しておくと良いでしょう。こうした保証があることで、安心してサイトの運用を開始することができます。

4. 支払い条件

ウェブ制作の外注では、支払い条件を明確にしておくことが不可欠です。支払いのタイミングや方法、金額については、曖昧なままにせず、事前にしっかりと取り決めておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

一般的な支払い方法としては、プロジェクトの進捗に応じた分割払いが採用されることが多いです。たとえば、契約時に50%、初期設計が完了した時点で30%、サイトが完成して納品された時点で残りの20%を支払うといった具合です。また、プロジェクトが中断やキャンセルされた場合の支払い条件についても、あらかじめ設定しておくことが重要です。これにより、予期せぬ費用負担を回避することができます。

5. 知的財産権

ウェブサイト制作において、知的財産権の取り扱いは非常に重要なポイントです。特に、サイトのデザインやソースコード、画像、動画など、サイトに使用されるコンテンツの所有権については、明確に取り決めておく必要があります。

知的財産権が明確にされていないと、契約を解除する際に、デザインやコンテンツの使用に関して追加料金が発生するトラブルが発生することがあります。たとえば、制作会社がデザインの所有権を持っている場合、サイトを別の制作会社に移行しようとした際に、新たなデザイン料金が発生する可能性があります。これを防ぐためにも、知的財産権については、制作会社と発注者の双方の利益を守る形で契約書に明記しておくことが重要です。

6. データ保護

ウェブサイト制作において、顧客情報やその他の重要なデータを扱う場合、そのデータの保護についてもしっかりと確認しておく必要があります。特に、顧客情報が外部に流出することがないよう、制作会社との間でデータの取り扱いについての規定を設けることが重要です。

具体的には、制作会社がデータをどのように保護するのか、データが保存される場所や暗号化の有無、データにアクセスできる人物の範囲などについて、詳細に取り決めておく必要があります。また、制作が完了した後、データがどのように処理されるのか(例:完全に削除されるのか、一定期間保存されるのか)についても明記しておくと安心です。

データ保護に関する取り決めがないと、制作会社やその外注先のフリーランスが意図的または偶然に顧客情報を漏洩させるリスクが高まります。このようなリスクを回避するためにも、データ保護については慎重に確認し、必要な場合は弁護士に相談することも検討すべきです。

7. 保守・サポート

ウェブサイトは公開後も継続的に管理・運営されるものであり、そのための保守やサポートが必要です。特に、サイトが問題なく稼働し続けるためには、定期的なメンテナンスや更新が欠かせません。

保守・サポートに関しては、その範囲や費用、対応時間などを事前に明確に取り決めておくことが重要です。例えば、緊急の不具合対応が必要になった場合、どの程度の時間内で対応してもらえるのか、対応費用はどのように計算されるのか、といった点を具体的に契約書に記載しておくと良いでしょう。また、定期的な更新やバックアップの取り決めについても、あらかじめ確認しておくと安心です。

こうした保守・サポートの取り決めがないと、サイト公開後に想定外の追加費用が発生したり、トラブルが長引く原因となることがあります。そのため、サイト制作の段階で保守・サポートについても十分に考慮し、必要な契約を結んでおくことが望ましいです。

まとめ

ウェブ制作会社にサイト制作を依頼する際には、様々な注意点を押さえておくことが重要です。仕様の明確化、納期とペナルティの設定、品質保証、支払い条件の取り決め、知的財産権の取り扱い、データ保護、そして保守・サポートの契約は、全てが円滑なプロジェクト進行とトラブル回避に欠かせない要素です。これらのポイントを事前にしっかりと確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら契約を結ぶことで、期待通りのウェブサイトを手に入れやすくなります。

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